創業融資代行の費用はいくら?相場を出さない理由と見積もりの確認ポイント
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公開: 2026年4月7日
更新: 2026年9月17日
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創業融資代行の費用を考える前に
この記事の結論
創業融資代行の費用は、着手金・成功報酬・月額顧問・実費の組み合わせで決まり、公的統計としての相場は見当たらないため本記事では金額を断定しません。見積もりで確認すべき業務範囲・成果の定義・返金条件と、士業ごとの業務範囲、日本政策金融公庫の相談窓口を解説します。
創業融資代行(税理士・行政書士・融資コンサルタントなどが創業融資の申請を支援するサービス)の費用について、業界団体や官公庁が「適正な相場」として公表している統計は見当たりません。行政書士・税理士・弁護士の報酬は、いずれも各士業会が全国一律で定める報酬基準(旧報酬規程)を持たず、事務所・個人ごとに金額を個別に設定する仕組みになっているためです。融資コンサルタントという肩書には資格そのものが存在せず、料金設定に公的な基準はさらにありません。
本記事で扱う内容
- 創業融資代行の費用がどんな要素(着手金・成功報酬・月額顧問・実費)で構成されるか
- 複数の見積もりを比較するときに、金額そのものより先に確認すべき項目
- 行政書士・税理士・弁護士が「報酬を得て何をしてよいか」を条文で区切ってどう定めているか
- 日本政策金融公庫は代行を挟まなくても本人が直接申請でき、公式の相談窓口があること
そのため本記事では、特定の金額を「費用相場」として提示することはしません。金額の妥当性を知りたい場合は、本記事のチェックリストを使って複数の専門家から個別に見積もりを取り、内訳を比較することをおすすめします。
創業融資代行の費用を構成する4つの要素
依頼先や契約プランによって呼び方は異なりますが、創業融資代行の費用はおおむね次の4つの要素の組み合わせで構成されます。どの要素がいくら発生するかは事務所ごとの契約内容次第であり、本記事では金額そのものは示しません。
| 費用の要素 | 内容 | 発生するタイミング | 見積もりで確認するポイント |
| 着手金(相談料) | 契約時に支払う基本料金 | 契約時。融資の可否によらず発生することが多い | 着手金に含まれる作業範囲(事業計画書の初稿作成まで、面談準備まで、等) |
| 成功報酬 | 融資が実行された場合に支払う報酬 | 融資実行後。案件によっては「採択決定時」と定義されることもある | 「成功」の定義(採択通知か、入金完了か)と、報酬の算定基準が契約書にあるか |
| 月額顧問料 | 開業後も継続して依頼する場合の月次サポート料 | 契約継続中、毎月発生 | 融資申請の相談がどこまで顧問料に含まれ、どこから別料金になるか |
| 実費 | 交通費・郵送費・登記事項証明書や住民票など公的書類の取得費用 | 案件により都度発生 | 見積書に「実費別途」とある場合、想定される項目と概算の有無 |
「着手金+成功報酬」「完全成功報酬(着手金なし)」「月額顧問契約に融資相談を含める」など、これらの要素の組み合わせ方が依頼先のプランになります。組み合わせ自体に優劣はなく、自分の資金繰りの状況や、開業後も継続して依頼したいかどうかで向き不向きが変わります。
見積もりで確認すべき5つの項目
金額の大小だけで見積もりを比較すると、契約後に「思っていた内容と違う」というトラブルにつながりやすくなります。金額そのものより先に、次の5項目が見積書・契約書に明記されているかを確認してください。
| 確認項目 | 確認する内容 |
| 業務範囲 | 事業計画書の作成、必要書類の収集、面談準備、面談同行、融資実行後のフォローのうち、どこまでが契約に含まれるか |
| 成果の定義 | 成功報酬型の場合、「成功」が採択通知の受領を指すのか、実際の入金完了を指すのか |
| 返金条件 | 不採択だった場合に着手金の返金があるか、一部返金か、返金なしか |
| 追加費用の発生条件 | 追加資料への対応、再申請、複数の金融機関への同時申請などが発生した場合に追加費用がかかるか |
| 解約時の精算方法 | 契約途中で依頼者側の都合により解約する場合、それまでの作業分としてどこまでの費用が発生するか |
口頭の説明だけで契約しない
見積書・契約書は必ず書面(紙またはPDF等)で受け取ってください。金額・業務範囲・成果の定義・返金条件が口頭の説明だけで、書面に反映されていない場合は、契約前に修正を依頼するか、他の事務所と比較検討することをおすすめします。
依頼先が行政書士・税理士として実在し登録が有効かどうかは、日本行政書士会連合会の「行政書士会員検索」、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で確認できます。確認方法の詳細は創業融資代行の成功報酬型とはでも解説しています。
士業ごとの業務範囲を条文で確認する
見積もりの「業務範囲」欄を評価するには、依頼先の資格が、依頼したい業務を法律上行ってよい範囲にあるかを確認する視点が欠かせません。創業融資代行に関係する3つの法律の該当条文を確認します。
行政書士:官公署提出書類・権利義務や事実証明に関する書類の作成(行政書士法)
行政書士法第一条の三は、行政書士の業務を「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成すること」と定めています。創業融資に必要な事業計画書は、この「事実証明に関する書類」に含まれると整理されています。同条第二項は「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない」と定めており、税務相談は税理士法の範囲、法律的な交渉は弁護士法の範囲として行政書士の業務からは外れます。さらに第十九条は、行政書士でない者が報酬を得てこの業務を行うことを禁止しています。
税理士:税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法)
税理士法第二条は、税理士の業務を「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つと定め、第二項ではこれに付随する業務として「財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務」を認めています。創業融資に必要な決算書・試算表の作成支援は、この付随業務の範囲に含まれます。第五十二条は、税理士でない者が税理士業務を行うことを禁止しています。
弁護士:報酬を得て行う法律事務の代理(弁護士法)
弁護士法第七十二条は「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で(中略)一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と定めています(いわゆる非弁行為の禁止)。金融機関との条件交渉や紛争対応など、書類作成の範囲を超えて法律的な交渉を代行・仲介すると称する場合は、この規定との関係を確認すべきです。
費用の見積もりとの関係
依頼したい業務がどの法律の範囲にあるかによって、対応できる資格者は変わります。例えば「事業計画書の作成」は行政書士・税理士のいずれも対応できますが、「金融機関との法律的な交渉の代理」を業として請け負えるのは弁護士に限られます。見積もりの業務範囲欄が、依頼先の資格に見合った内容になっているかを確認してください。
行政書士の業務範囲は行政書士に創業融資を相談するには、税理士の業務範囲は税理士に創業融資代行を依頼するメリット・デメリットで詳しく解説しています。条文全文はe-Gov法令検索の「行政書士法」・「税理士法」・「弁護士法」で確認できます。
日本政策金融公庫は代行なしでも申請でき、公式の相談窓口がある
創業融資代行の費用を検討する前提として、日本政策金融公庫の創業融資は代行業者を挟まなくても事業者本人が直接申請できる、という点を押さえておく必要があります。公庫自身が相談窓口とオンライン申込の両方を用意しています。
全国152支店の「創業サポートデスク」
日本政策金融公庫の国民生活事業では、全国152支店に「創業サポートデスク」を設置しており、専任の担当者が創業計画書の立て方や融資申し込みの流れ、融資制度について説明を受けられます。
ビジネスサポートプラザでの予約制相談
東京(新宿)と大阪には「ビジネスサポートプラザ」があり、中小企業診断士等の専門の相談員による事前予約制の相談(約1時間)を受けられます。土曜相談枠(日曜は東京のみ)やオンライン相談にも対応しています。
創業計画書のテンプレートも公開
公庫の「創業計画の書き方」ページでは、「創業計画書」のPDF・Excelテンプレートと、書き方を解説する動画が公開されています。
申込自体もインターネットで完結できる
国民生活事業向けには「インターネット申込」のページが用意されており、24時間365日、来店せずに融資の申込手続きを進めることができます。
専門家への依頼を検討する判断軸
「代行を使わないと融資を受けられない」わけではありません。公庫の相談窓口と専門家への有料依頼のどちらを選ぶかは、費用対効果を金額で一律に比較できない以上、自分の状況に照らした判断軸で考えるのが現実的です。
専門家への依頼が候補になる場面
- 事業計画書の完成度に自信がなく、第三者の目でチェックしてほしい
- 本業や開業準備で忙しく、決算書類や必要書類の作成に時間を割けない
- 開業後も継続して税務顧問を依頼する予定があり、融資相談もまとめて相談したい
- 飲食店・建設業など許認可申請と融資申請を同時に進めたい
公庫の相談窓口をまず使う選択肢
これらに強く当てはまらない場合は、前述の創業サポートデスクやビジネスサポートプラザなど公庫の相談窓口をまず使い、自分で作成した事業計画書のどこが弱いかを把握したうえで、必要な部分だけ専門家に依頼する、という進め方もあります。どちらが総費用として得かは案件ごとに異なり、本記事では一律の結論を示しません。
依頼先の種類ごとの特徴は創業融資コンサルとは?税理士・行政書士との違いと確認方法、依頼先の選び方全般は創業融資代行おすすめの選び方、依頼先タイプの比較はタイプ別比較ガイドもあわせてご覧ください。
費用面で注意したい悪質業者の言動
「悪質業者の相場」のような統計は存在しませんが、これまで確認した法律の構造と、見積もりで確認すべき項目を踏まえると、費用に関して契約前に注意すべき言動が見えてきます。
契約前に確認したい言動
- 「必ず融資が通ります」と成果を保証する:融資の可否を最終的に判断するのは日本政策金融公庫や信用保証協会であり、代行業者や専門家がその結果を保証することはできません。
- 見積書・契約書を書面で出さない、口頭だけで説明する:金額・業務範囲・成果の定義・返金条件は、必ず書面で確認してください。
- 「成功」の定義や報酬の算定根拠を契約書に明記しない:採択時点か入金完了時点かが曖昧なまま契約すると、後からトラブルになりやすくなります。
- 契約前に一括前払いを強く求める、相見積もりを嫌がる:複数の事務所を比較されることを避けたがる業者には注意が必要です。
- 行政書士・税理士などの資格の有無を明示しない、確認に応じない:書類作成を業として報酬を得て行うには、行政書士法・税理士法上の資格が必要です(前章参照)。資格を確認できない場合、その業務を適法に行える立場にあるか判断できません。
- 金融機関との交渉・融資条件のあっせんそのものを業として請け負うと説明する:弁護士法上の法律事務や、貸金業法上の登録が必要な業務に該当する可能性があります。報酬形態と法律の関係は創業融資代行の成功報酬型とはで詳しく解説しています。
より詳しい見分け方は悪質な融資コンサルの見分け方と対処法もあわせてご覧ください。
本記事で参照した公式情報
本記事の法律に関する記述は、e-Gov法令検索に掲載されている条文、および各機関が公式サイトで公表している内容に基づいています。個別の契約・案件への当てはめは、必ず依頼予定の専門家や弁護士に確認してください。
最終更新日: 2026年9月17日。法令・制度は改正される場合があります。必ず各公式サイト・専門家に最新情報をご確認ください。本記事は特定の専門家・業者を推奨するものではなく、費用の相場を保証するものでもありません。
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