信用保証協会の創業融資【2026年ガイド】仕組み・保証料・申請手順
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公開: 2026年4月7日
更新: 2026年9月17日
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信用保証協会とは?創業融資における「保証付融資」の仕組み
この記事の結論
信用保証協会は中小企業・小規模事業者の借入を保証する公的機関です。原則は責任共有制度で8割を保証しますが、創業関連保証など一部制度は対象外で全額保証、限度額は3制度合計3,500万円です。保証料率は9区分あり、料率表は協会ごとに公表されています。
信用保証協会は、信用保証協会法(昭和28年法律第196号)に基づき、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。事業者が金融機関(銀行・信用金庫等)から事業資金を借りる際に信用保証協会が保証人となり、実績の少ない創業者でも融資を受けやすくします。全国47都道府県と4市(横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市)に設置され、各地域に密着して業務を行っています。1937年に日本で最初の信用保証協会(東京信用保証協会)が設立されて以来の歴史があり、1953年に信用保証協会法が制定されています。
信用保証協会の創業融資、4つの要点
- 信用保証協会・金融機関・事業者の三者関係で成り立つ制度で、信用保証協会自体が資金を貸すわけではない
- 創業関連保証などの保証は保証限度額3,500万円(複数制度の合計)で、原則として全額(100%)を保証協会が保証する
- 信用保証料が発生する(協会ごとに料率が公表されており、全国一律の料率ではない)
- 都道府県・市区町村が信用保証協会と連携して行う「制度融資」とは別に、金融機関を通じて信用保証協会に直接申し込むこともできる
本記事では、信用保証協会の保証の仕組み・保証限度額・保証料の考え方・日本政策金融公庫との違い・申請手順を、全国信用保証協会連合会と信用保証協会の公式情報に基づいて解説します。都道府県ごとの融資上限や金利、代行費用の相場のような、公式統計が存在しない断定的な数値は本記事では扱いません。
信用保証の仕組み:責任共有制度と信用補完制度
信用保証協会の保証は、次の2つの制度が組み合わさって運営されています。
責任共有制度:信用保証協会と金融機関でリスクを分担する
責任共有制度は、信用保証協会と金融機関が適切にリスクを分担することで、両者が連携して融資実行後の経営支援まで行うことを目的とした制度です。「部分保証方式」では個別の貸付金額の80%(一部の保証を除く)を信用保証協会が保証し、残り20%は金融機関の負担となります。金融機関が「負担金方式」を選択している場合は、保証時点では100%保証としつつ、代位弁済(信用保証協会が金融機関に立て替え払いすること)の状況に応じて金融機関が負担金を支払う仕組みです。
責任共有制度の対象外=創業関連保証は全額保証
経営安定関連保証(セーフティネット保証)や災害関係保証などとあわせて、創業関連保証(再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証制度を含む)は責任共有制度の対象外と定められています。つまり創業融資でこれらの保証を使う場合、信用保証協会が原則として100%を保証する仕組みです。
信用補完制度:日本政策金融公庫が保証協会を再保険する
信用保証協会が保証した融資は、国が出資する日本政策金融公庫による「信用保険」にほぼすべて自動的に付保されます(包括保証保険制度)。事業者が返済できず信用保証協会が金融機関に代位弁済した場合、その代位弁済額の70〜90%(保険填補率)を信用保証協会は日本政策金融公庫から保険金として受け取り、その後は信用保証協会が事業者に返済を求めます(求償権)。この「信用保証制度+信用保険制度」の全体を信用補完制度と呼びます。
保証限度額:一般保証と創業関連保証の違い
信用保証協会の保証には上限額(保証限度額)が定められています。通常の事業資金(一般保証)と、創業者向けの保証とでは枠が別になっています。
| 区分 | 内容 | 保証限度額 |
| 一般保証(普通保証+無担保保証) | 通常の運転資金・設備資金全般 | 中小企業・小規模事業者:2億8,000万円 組合:4億8,000万円 |
| 創業関連保証・再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証制度 | 創業前後の事業者向け(3制度は併用可能。合計での上限) | 3制度合計3,500万円 |
創業関連保証等の3,500万円は一般保証の枠とは別枠で利用できます。実際にいくらまで保証を受けられるかは、事業計画の内容や自己資金の状況、申込先の信用保証協会の審査によって決まります。
創業融資で使える3つの保証制度(創業関連保証・再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証制度)
信用保証協会は、創業をお考えの方・創業後間もない方向けに次の3つの保証制度を用意しています。
| 制度名 | 主な対象 | 保証限度額 |
| 創業関連保証 | 事業を営んでいない個人で近く創業する具体的計画がある方/創業後5年未満の個人・法人(分社化含む) | 3制度合計3,500万円 |
| 再挑戦支援保証 | 経営状況の悪化により過去の事業を廃止・法人を解散した経験があり、5年未満で再挑戦する方(分社化は対象外) |
| スタートアップ創出促進保証制度 | 創業関連保証の対象者のうち、法人設立を予定・法人設立から5年未満の方 |
スタートアップ創出促進保証制度は経営者保証が不要
スタートアップ創出促進保証制度は、創業関連保証の保証料率(各信用保証協会所定)に0.2%を上乗せすることで、経営者(法人代表者)が連帯保証人にならなくてよい保証制度です。創業計画書の提出が必要な点は他の制度と共通です。ひな形は各信用保証協会に用意されており、相談しながら作成できます。
いずれの制度も併用が可能で、詳しい対象要件・利用条件は創業計画書の書き方ガイドもあわせてご覧ください。「創業支援」の専門窓口を設けている信用保証協会もあるため、まずはお近くの信用保証協会に相談することが推奨されています。
信用保証料はどう決まるか(9つの料率区分と協会ごとの違い)
信用保証協会を利用する際は、保証の対価として信用保証料を支払います。信用保証料は日本政策金融公庫に支払う信用保険料や代位弁済に伴う損失の補填など、制度運営に必要な費用に充てられるもので、融資の金利とは別に発生します。
料率区分は全国共通で9区分、実際の料率は協会ごとに公表
全国信用保証協会連合会によれば、信用保証料率は事業者の経営状況に応じた9つの料率区分から適用されます。区分の判定には、中小企業に関するデータベース「CRD」(中小企業信用リスク情報データベース)による確定決算内容の評価が使われ、この仕組みは全国の信用保証協会で共通です。ただし、区分ごとの実際の料率(%)は信用保証協会ごとに公表されており、全国一律の数値ではありません。担保提供や会計参与設置がある場合の割引、経営者保証非提供制度利用時の割増など、細かな調整も協会・制度ごとに定められています。
「保証料率◯%」という断定に注意
信用保証料率は都道府県・市区町村ごとの信用保証協会が個別に公表しているため、「全国一律で年◯%」という表記は不正確です。正確な料率は、事業を営む地域を管轄する信用保証協会の公式サイトで確認してください。
公表例:東京信用保証協会の料率表の構造(2026年6月23日更新)
一例として、東京信用保証協会が公表する信用保証料率表(2026年6月23日更新)では、次のような仕組みが明記されています。
- 小口の利用ほど信用保証料率の上限を低く設定:利用額500万円以下は上限1.27%、1,000万円以下は上限1.55%(一般保証・責任共有制度対象の場合)
- 東京都制度融資を利用する場合は一般保証よりも料率を引き下げ、上限を1.49%に抑える(一部区分を除く)
- セーフティネット保証など政策的に配慮された保証は、区分によらない一律の料率が別途定められている
これらはあくまで東京信用保証協会の公表例であり、他の道府県・市の信用保証協会では料率・上限額が異なります。正確な料率表は東京信用保証協会「信用保証料率の体系」、他地域は全国信用保証協会連合会「お近くの信用保証協会」から確認できます。
制度融資の仕組み:自治体・金融機関・信用保証協会の三者関係
「制度融資」は、都道府県・市区町村が金融機関・信用保証協会と連携して行う融資制度の総称です。自治体が融資の原資の一部を金融機関に預託したり、信用保証料や利子の一部を補助したりする仕組みが一般的ですが、補助の有無・金額・融資上限は自治体ごとに大きく異なります。
制度融資の基本フロー
- 事業者が自治体窓口または金融機関に制度融資を申し込む
- 金融機関が信用保証協会に保証を申し込む
- 信用保証協会が審査し、保証を承諾する(信用保証書を発行)
- 金融機関が融資を実行する
- 事業者は金融機関に返済し、信用保証協会に信用保証料を支払う
制度融資を使うか、金融機関経由で信用保証協会に直接申し込むかは、自治体の補助内容によって有利不利が変わります。都道府県・市区町村ごとの制度内容は本記事では扱わず、自治体の制度融資ガイド、地域別の情報は創業融資代行 東京・創業融資代行 大阪などの地域別記事、または各自治体の産業振興窓口で確認してください。
信用保証協会(保証付融資)と日本政策金融公庫(直接融資)の違い
創業融資でよく比較されるのが、信用保証協会を介した「保証付融資」と、日本政策金融公庫が直接貸し付ける「直接融資」です。仕組みが異なるため、単純に金利だけでは比較できません。
| 比較項目 | 日本政策金融公庫(直接融資) | 信用保証協会(保証付融資) |
| 申込先 | 日本政策金融公庫(直接) | 金融機関または信用保証協会経由 |
| 実質的な貸し手 | 日本政策金融公庫 | 民間金融機関(信用保証協会が保証) |
| 信用保証料 | 不要 | 必要(協会ごとの料率表による) |
| 金利 | 公庫の公表金利(下記参照) | 各金融機関が個別に設定(非公開が多い) |
| 保証割合 | 該当なし(公庫が全額貸付) | 一般保証は原則80%(責任共有制度)、創業関連保証等は原則100% |
日本政策金融公庫(国民生活事業)の金利は公式サイトで公表されており、無担保・税務申告を2期終えている場合の基準利率は年3.80〜5.40%で、特別利率が適用される制度ではより低い利率(下限2.40%〜)になる場合もあります(令和8年9月1日現在。利率名称・条件により異なります)。一方、信用保証協会を利用する保証付融資は、金融機関が個別に設定する金利に加えて信用保証料が発生する構造で、金利自体を金融機関が公表していないケースが多いため、本記事では実質コストの試算は行いません。両者は同時に申し込むことも可能で、状況によっては公庫と制度融資を併用して資金調達額を増やすケースもあります。日本政策金融公庫の詳しい金利・審査は日本政策金融公庫ガイド、信用金庫との違いは公庫と信用金庫の比較で解説しています。
保証付融資の申込みから融資実行までの流れ・必要書類
全国信用保証協会連合会が公表している申込みの流れは次の5ステップです。
| ステップ | 内容 |
| 1. 保証の申込み | 金融機関の窓口、または信用保証協会に直接申し込む(自治体・商工団体が窓口になる場合もある) |
| 2. 保証審査 | 信用保証協会が事業内容・返済能力・資金使途等を審査。訪問・面談が行われる場合がある |
| 3. 保証承諾 | 審査の結果、保証を適当と認めたときは金融機関に「信用保証書」を発行 |
| 4. 融資実行 | 信用保証書の条件に沿って金融機関から融資が実行される。信用保証委託契約書を作成し、信用保証料を金融機関経由で支払う |
| 5. 返済 | 返済条件に基づき金融機関へ返済する |
主な提出書類
信用保証委託申込書(保証人等明細)、申込人(企業)概要、信用保証依頼書、個人情報の取扱いに関する同意書、確定申告書(決算書)、商業登記簿謄本、印鑑証明書などが基本の提出書類です。融資実行時には信用保証委託契約書の作成・提出も必要になります。これら以外に必要な書類はケースによって異なるため、事前に窓口へ確認してください。審査にかかる具体的な日数は信用保証協会・案件ごとに異なり、全国共通の公表値は確認できていません。必要書類の詳細は創業融資の必要書類ガイドもご覧ください。
利用にあたっての注意点:信用保証料以外の費用と悪質な「金融斡旋屋」
信用保証協会を直接利用する場合、公式に発生する費用は信用保証料のみです。東京信用保証協会は「信用保証を受ける際に必要なのは、信用保証料のみです。これ以外、どのような名目(手数料・調査料・相談料など)でも一切いただく事はありません」と明記しており、他の信用保証協会でも同様の案内がされています。
「金融斡旋屋」への注意喚起は信用保証協会自身が行っている
東京信用保証協会は公式サイトで「斡旋料や仲介手数料等を要求する、いわゆる金融斡旋屋にご注意ください。当協会では金融斡旋屋等の第三者が介入する保証申込は一切取扱いません」と案内しています。信用保証協会への申込自体を有料で仲介すると称する事業者や、保証の可否を保証すると説明する事業者には注意が必要です。悪質な融資コンサルの見分け方は悪質な融資コンサルの見分け方と対処法で解説しています。
一方で、事業計画書の作成支援や書類準備のサポートを行政書士・税理士・中小企業診断士などの専門家に依頼すること自体は一般的です。専門家への依頼が違法にあたるかどうかの整理は創業融資代行は違法?、依頼先の種類ごとの違いは創業融資コンサルとはで解説しています。専門家に依頼する場合も、信用保証協会に支払う信用保証料と、専門家に支払う報酬は別のものである点を区別して確認してください。
信用保証協会・制度融資の相談窓口
信用保証協会は都道府県・4市(横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市)ごとに設置されており、管轄区域で事業を営んでいることが利用の条件になります。まずは事業を行う地域を管轄する信用保証協会、または取引のある(取引を予定する)金融機関の窓口に相談することが第一歩です。
| 相談先 | できること |
| お近くの信用保証協会 | 保証制度の説明、創業計画書の相談、保証料率・保証限度額の個別確認 |
| 取引金融機関(銀行・信用金庫等) | 融資と保証申込を同時に相談できる。制度融資の窓口を兼ねる場合も多い |
| 自治体の産業振興窓口・商工会議所 | 制度融資の内容、自治体独自の補助制度の確認 |
全国の信用保証協会の一覧は全国信用保証協会連合会「お近くの信用保証協会」から検索できます。事業計画書の作成や専門家への依頼を検討したい場合は、当サイトでも創業融資に対応する行政書士・中小企業診断士への無料相談をご案内しています。
本記事で参照した公式情報
本記事の保証制度・保証限度額・保証料率の構造・申込みの流れに関する記述は、全国信用保証協会連合会および東京信用保証協会が公式サイトで公表している内容、日本政策金融公庫が公表する金利情報に基づいています。個別の融資可否・保証料率・融資上限は、事業を営む地域の信用保証協会・金融機関に必ずご確認ください。
最終更新日: 2026年9月17日。保証料率・保証限度額・各種制度は改正される場合があります。必ず事業を営む地域の信用保証協会・各公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は特定の信用保証協会・金融機関・専門家を推奨するものではなく、保証の可否や融資条件を保証するものでもありません。