整骨院・接骨院の創業融資とは?日本政策金融公庫が最有力な理由
この記事の結論
整骨院・接骨院の創業融資を解説。日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の公式条件、開業費用の費目、柔道整復師法の施術所開設届と構造設備基準、保険を扱う施術管理者の要件(実務経験・研修)、保険診療と自費診療の収益計画の立て方を出典付きでまとめました。
整骨院(接骨院)の開業には、施術ベッド・医療機器・内装工事に加え、開業後に患者数が安定するまでの運転資金が必要です。必要な金額は物件・規模・機器を購入するかリースにするかで大きく変わります。柔道整復師の国家資格と実務経験は、日本政策金融公庫の創業融資の審査で事業計画の裏付けとして説明しやすい材料です。
整骨院は国家資格に基づく医療系業種のため、融資審査で「資格の裏付け」がプラス評価されます。ただし近年は整骨院の競争が激化しており、保険診療だけに頼らない収益戦略を事業計画書に盛り込むことが採択のポイントです。
創業融資代行・融資サポートの専門家を活用して、整骨院の収益構造を理解した事業計画書を作成することで審査で見られる点を満たしやすくなります。
整骨院が日本政策金融公庫を選ぶ理由
- 創業前から申し込める:対象者は新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
- 担保・保証人は相談で決まる:公式には「お客さまのご希望を伺いながらご相談」とされ、経営者保証免除特例制度を併用できる
- 据置期間は5年以内:設備資金は20年以内、運転資金は10年以内の返済期間のうち、据置期間を5年以内で設定でき、開業後に患者数が安定するまでの猶予として活用できる
- 金利は公表されている:令和8年11月2日現在、無担保・税務申告2期未終了の場合で基準利率は年3.75〜5.15%。女性・35歳未満・55歳以上の方などは特別利率A(同年3.35〜4.75%)
出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」、日本政策金融公庫「金利情報」(令和8年11月2日現在・2026年11月4日確認)。融資限度額は7,200万円(制度上の上限)で、実際の融資額は事業計画の内容や審査結果によって決まります。利率はお使いみち・返済期間・担保の有無などで異なり、金融情勢によって変わります。
整骨院の開業費用の内訳|費目と金額が変わる要因
整骨院の開業費用は、物件の広さ・立地、ベッド数、個室の有無、機器を購入するかリースにするかで大きく変わります。ここでは金額を断定せず、費目ごとに整理します。
| 費目 | 主な内容 | 金額が変わる主な要因 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 保証金・敷金・礼金、仲介手数料など | 立地・面積、居抜きかどうか |
| 内装工事費 | 施術室・待合室・個室の造作、給排水・電気・換気の工事 | 面積、個室の数、施術所の構造設備基準を満たすための工事範囲 |
| 施術ベッド・医療機器 | 施術ベッド、消毒設備、備品 | ベッド数、新品か中古か |
| 電気治療器・超音波等 | 物療機器 | 機種・台数、購入かリースか |
| 運転資金 | 開業後の家賃・人件費・消耗品などの当面の支払い | 患者数が安定するまでの期間、保険分の入金までの時間差 |
| その他 | 広告・看板、予備費など | 集客の方法と規模 |
内装の設計では、柔道整復師法施行規則が定める施術所の構造設備基準を先に押さえておくと手戻りを避けやすくなります。基準は、6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること、3.3平方メートル以上の待合室を有すること、施術室は室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること(これに代わる適当な換気装置があれば除く)、施術に用いる器具・手指等の消毒設備を有することです。
出典:e-Gov法令検索「柔道整復師法施行規則」第18条、e-Gov法令検索「柔道整復師法」第20条(2026年11月4日確認)。運用の細部は施術所の所在地を管轄する保健所に確かめてください。
公庫の統計(全業種平均・参考値)
日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は975万円(中央値600万円)、開業時の資金調達額の平均は1,219万円でした。開業業種の構成比では「医療・福祉」が16.7%で、「サービス業」(27.7%)に次いで高くなっています。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(要約・2025年12月5日発表)/同・全文(2026年11月4日確認)。全業種の平均値であり、整骨院・接骨院に限定した数値ではありません。
医療機器:購入 vs リースの比較
| 比較項目 | 購入 | リース |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高(一括で支払う) | 低(月々のリース料) |
| 融資審査 | 設備資金として融資対象 | 初期投資が減り融資額を抑えられる |
| 総コスト | 購入額のみ | リース料の総額を、同じ期間の購入額と見積書で比べる |
| 最新機器への入替 | 売却して買い替え | リース満了時に最新機に切替可 |
融資審査のポイント:医療機器を購入する場合はメーカーの見積書を添付。リースにする場合はリース会社の見積書と月額支払い計画を事業計画書に含めます。創業融資代行の専門家であれば、購入とリースのどちらが有利かをシミュレーションしてくれます。
整骨院の収益モデル|保険診療と自費診療の融資サポート戦略
整骨院の収益は保険診療と自費診療の2本柱です。近年は保険請求の厳格化が進んでおり、自費メニューの導入が経営安定のカギとなっています。
| 比較項目 | 保険診療 | 自費診療 |
|---|---|---|
| 1回あたり売上 | 厚生労働省が定める療養費の算定基準による(患者負担分と保険者への請求分) | 院が自由に設定 |
| 入金タイミング | 患者負担分はその場、保険者への請求分は請求後に入金(時間差がある) | その場で全額 |
| 融資審査での評価 | 安定収入として評価 | 高収益として評価 |
| リスク | 保険請求査定の厳格化 | 集客力が必要 |
月次収支計画に入れる項目(保険+自費の場合)
- 保険診療の売上(1日の患者数×1回あたりの売上×営業日数)と、その入金時期
- 自費診療の売上(1日の患者数×単価×営業日数)
- 人件費(スタッフ・パート)、家賃、消耗品・材料費、水道光熱費・通信費、広告費
- 融資の返済(借入額・返済期間・据置期間・適用利率から計算)
- その他(保険・会費等)
金額は立地・規模・メニュー構成によって変わり、公表された統計はありません。自院の単価表と患者数の見込みから積み上げてください。
重要:保険分(療養費)の入金は請求から時間差があるため、開業直後は売上の計上と現金の入金がずれます。この期間を乗り切る運転資金の確保が融資審査の最重要ポイントです。融資サポートの専門家であれば、キャッシュフロー表を作成して審査担当者を説得できます。